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陰茎弯曲症治療(白膜部分切除術・Nesbit変法)

手術の原理

ネスビット法(Nesbit procedure)は1965年に発表された陰茎弯曲矯正の術式で、弯曲の外側(長い側)の白膜を紡錘形に切除して縫合し、直線化を図るものです。その後、縦切開横縫合を行うYachia法などの変法が開発されました。当院で行う改良型陰茎白膜部分切除術(Modified Nesbit, Hsu法)は、これらをさらに発展させた精緻な白膜短縮手術(Tunical shortening procedure)です。

麻酔方法

一般的な陰茎手術では腰椎麻酔(下半身麻酔)や全身麻酔が選択されることが多いですが、当院では独自開発の二重局所麻酔を採用しています。陰茎基部への麻酔薬注射のみで完結し、手術中は完全に意識がありながら痛みがありません。音楽を聴きながらリラックスして手術を受けていただけます。

手術創(傷跡)

亀頭直下の環状切開創(環状切除創)1箇所のみです。傷跡は冠状溝に沿って隠れるため目立ちません。

入院の要否

入院や宿泊観察は一切不要です。日帰り外来手術として実施され、手術終了後はご自身で歩行してそのままご帰宅いただけます。

手術方法の手順

仰臥位で二重局所麻酔を施した後、冠状溝下の単一切開から微小外科(マイクロサージャリー)技術を用いて皮下組織を剥離します。神経や血管束を慎重に温存しながら弯曲の頂点を特定し、長い側の白膜を部分的に切除します(図1 A〜E)。その後、極細の縫合糸を用いて精密に切開部を縫合し、左右の白膜長を均等にして陰茎を真っ直ぐにします(図1 C, F)。静脈漏れに伴う勃起不全が併発している場合は、同時に静脈結紮術を行うことも可能です。最後に包皮を層状に縫合し、圧迫包帯を巻いて完了します。

陰茎弯曲症白膜部分切除術の術式解説図
図1:左側陰茎弯曲症の矯正手術。A, D: 右側の白膜が長く、点線部が切除予定範囲。B, E: 白膜切除後に海綿体組織を確認。C, F: 極細糸で縫合し陰茎本体を直線化。

術中の止血には電気メス(電気焼灼)を使用せず、微細糸による結紮止血を行うため、勃起組織や感覚神経への熱損傷を完全に回避できます。

当院の手術の特徴

  • 安全な二重局所麻酔:全身麻酔や下半身麻酔に伴う身体的負担・合併症リスクを回避。
  • 単一の目立たない創口:冠状溝下に隠れるため自然な外観を保てます。
  • 完全日帰り外来手術:術後すぐに歩いて帰宅可能。
  • 極細縫合糸の使用:従来の太い糸で生じやすかった縫合結節のしこり(肉芽腫)や慢性痛を低減。
  • 無電気メス手術:組織への熱損傷を防ぎ、血流障害や術後感染リスクを最小化。

手術の予後とまとめ

白膜短縮術は、十分な陰茎長があり弯曲角度が中等度までの場合に最も適した術式です。白膜の自己修復能力を活かして治癒するため、再発率が低く勃起硬度への影響も最小限に抑えられます。弯曲が重度な場合や長さを保ちたい場合は、白膜移植延長術との併用も検討されます。治療にあたっては専門医による十分な術前評価が推奨されます。

執筆・監修:謝政興(Dr. Cheng-Hsing Hsieh)泌尿器科専門医

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